大町市神  大町の葉山タクシーの車庫前西角にある、しめ縄が巻かれた自然石が大町中組の市神です。市神は元来市場の立つ場所の目印に建てられ、ほとんどが無銘の自然石です。

 市場を立て、管理監督するのは、立前株を有する立前衆ですが、大町念仏講帳によれば、明和八年(一七七一)には九人の立前衆がいました。

 立前衆は、出店地割りの外、喧嘩口論や押売りなどの不正売買の取締りなどを行いました。出店する者は、立前衆に市賃を支払う決まりがありました。

 商品の主なものは、北海道産の干物・塩物類、京阪地方から仕入れた木綿・古手類、種子や苗木類、日用雑貨類、下郷衆(現村山市湯野沢など)の出す野菜や山菜などです。

 大町の市のほかに、北口には二六市、荒町には四八市も立っていました。

 町内には県内最多の十基の市神がありますが、過去の市の繁盛を物語っています。

 往古の五十市の賑わいを知る市神は、今何を思いながら鎮座しているのでしょうか。