長楽寺の法輪塔 長楽寺の法輪塔

 境内の左手にある蔵の中に八角形の法輪塔と呼ばれている輪蔵が一棟納められていま す。
 輪蔵とは、回転式の書棚がある経蔵のことをいい、中央に八角形の書棚をしつらえて、中心に軸を入れて回転するようにしたもので、一般には禅宗寺院で用いましたが、近世 になると禅宗以外の宗派でも用いるようになったといわれます。

 観音開きの書棚は厨子(ずし)のように柱・組物などで飾られ、中には鉄眼道光(てつげんどうこう)によって開版された黄檗版一切経(鉄眼版大蔵経)が収められており、たまたま手にとった大宝積経百十二巻末の奥書には

「沙門鉄眼募刻 寛文癸丑仲春月 黄檗山宝蔵院識」

とありました。

 棟札によれば、長楽寺壇頭であった澤畑邑(むら)の豪農阿部権内永秀が文久元年(一八六一)に寄進し、大工は町内南小路居住の宮大工土方嘉七が「法輪棟梁」であると書き記されています。

 また、経蔵の格天井三十八枚には、石蘭亭(槙五鳳)とその門人・友人十四名によって描かれた花鳥図や人物絵も残されており貴重なものです。

 西里永昌寺に明治初期の洋風建築に名を残した本木勝次郎の手になる輪蔵があります。