両所青麻権現 旧両所中公民館の西側、通称「おぶく山」に青麻大権現の碑が建っている。青麻は、夏に薄紅色の花をつける多年草で、正確には苧麻(ちょま)カラムシという植物で、古くから越後上布や小千谷縮(おぢやちぢみ)、奈良晒(さらし)などの衣料の原料として珍重された。

 江戸時代の青麻の代表的産地は山形・福島・新潟の三県で、中でも山形の置賜地方や村山地方は我が国有数の産地とされた。

 河北町では、主として吉田岩木・新吉田方面から山麓地帯が主産地で、紅花が栽培される以前から幕末にかけて多く栽培され、紅花や綿などとともに畑作の基幹作物であった。
 青麻を栽培するには、「随分肥えたる性よき地」を選び、そのため「屋敷内は猶よし。」(農業全書)と言われ、肥沃の土地が充てられた。

 しかし、青麻の根は、他の植物と違って強く張るため、後作は中々不可能とされた。
 「青麻権現」は青麻の豊作を願って、多くは文化・文政年間(1804~1829)に建立された。それらは、かつての青麻栽培の盛時を偲ばせるものである。地域によっては、今でも『中風除けの神様』として信仰されているという。